アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第6部(第47話)

第四章  宴の真相、神葬の剣 9 ―オルタナティヴVSエレナ③―

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         9

「――《ハイメガ・ヒート・レーザー》」

 最大出力でいく。避けられるのならば、それでも構わないのだ。
 真正面からの渾身の一発。ベースボールでいうと真ん中高めのフォーシームである。

「――《サジタリアス・レッドアロー》」

 オルタナティヴの派生魔術だ。【ワード】に呼応して、銀河に輝く星々が、射手座の形状に変化した。すなわち防御ではなく迎撃である。
 そして『炎の矢』が顕現して、右手人差し指を向けた、オルタナティヴのアクションに沿って、矢が撃ち込まれる。
 ごぉガガっ!! 爆音が響く。
 威力は全くの互角だ。
 流石は希代の天才魔術師――と、エレナの全身が武者震いした。170キロを超える最高最速のストレートを場外ホームランされた気分だ。
 ギャラリーは二人の魔術戦闘にド肝を抜かれている。双方、あまりに桁外れだ。
(素晴らしいわ。なんて倒し甲斐のある相手)
 ならば次はこれだ。

「――《ハイメガ・ヒート・ハンマー》」

 今度は封印解除した【熱】エレメント版である。同系統である【火】で、果たしてこの一撃を防げるか。今度のボールは更に球速を増した180キロオーバーだ。
 オルタナティヴは使用エレメントを【火】から【水】にチェンジ。
 銀河の星々が【火】の星環に戻る。蒼のオーラが顕現するのと同時に、【水】の星環が宇宙型【結界】へと散った。
 そして……

「――《スクトムズ・ブルーシールド》」

 射手座の傍に存在する楯座を象っていく【水】の星々。中央には十字が描かれている。オルタナティヴが突き出している右手の五指の広がりに合わせて、『水の楯』が精製された。その楯でエレナのハンマーを受け止める。

 【水】が瞬時に蒸発した。

 しかし、蒸発に従って発生する気化熱を利用して、オルタナティヴは魔術の盾の性質を『水の楯』から『氷の楯』へと変化させる。気化熱はその発生源から温度を奪う。魔術的な因果操作による芸当だ。そして《ハイメガ・ヒート・ハンマー》を完璧に受け切ってみせた。
 それだけではない。ハンマーの打撃面を凍り漬けにしている。
 エレナは《パーフェクト・レッドウィング》のハンマーを解除した。
 氷の羽群が儚げに舞う。舞い踊る羽は、すぐに砕け散った。
「やるわね、オルタナティヴ」
 期待通りである。そうこなくては。
「そちらもね。けれど他に芸はないのかしら? もしよければ、使用エレメントを【金属】に切り替える猶予を与えるわよ」
「ああ、その気遣いは無用だわ」
 エレナは首に着けていたチョーカーを外した。
 血のように紅い首輪だ。
 シンプルなデザインのそれを、外周のジョイント構造でスライドさせた。引き延ばされたチョーカーは径が広がる。デザインのイメージが変わった。首輪として着けていたリングは、実はアクセサリではないのだ。

 ――名称は《ガイアリング》。

 世界ナンバーワンのシェアを誇る堂桜の系列企業――【SHINONOME・カンパニー】に、特注で造らせた専用【AMP】である。
 エレナは《ガイアリング》を《パーフェクト・レッドウィング》へと放り投げた。
 専用【AMP】をキャッチした【基本形態】は、片膝立ちになって屈むと、リングを地面に置く。《ガイアリング》を中心とした【魔方陣】が描かれた。そして、リングを核としたハンマーが形成される。
 周囲から金属分子を吸い上げて形作られる魔術のハンマーだ。
 《パーフェクト・レッドウィング》がハンマーを構える。

「このハンマーの名は《ガイア・メタルハンマー》」

 エレナ自身は【熱】を使用エレメントとしている。【熱】と【金属】のエレメントを同時に使用してはいない。エレナの魔術理論では、楯四万締里の様なマルチタスクはできない。
 オルタナティヴは理解した。こういった方法があったのかと。
 発想としてはオルタナティヴの【基本形態】に近いだろう。
「意外な盲点ね。誰にも思い付きそうで、今まで誰一人として実行はしなかったやり方だわ」
 二層でエレメントを制御しているのだ。
 オルタナティヴは上位層で複数のエレメントの切り替えを、下位層で各エレメントの制御を行っている。
 エレナも同じだ。上位層としてエレナが《パーフェクト・レッドウィング》で【熱】のエレメントを制御する。そして下位層としてのエレメント制御は、専用【AMP】――《ガイアリング》を接続端子に見立てて、【基本形態】である《パーフェクト・レッドウィング》が【金属】を担当しているのだ。
 従来は専用【AMP】の機能でエレメントを切り替えるのが主流であるが、エレナは専用【AMP】を下位制御に設定する事によって、上位に定義された【基本形態】に別エレメントを使用させているのだ。
 エレナは言った。
「そうでしょうね。巷で噂になっている【DRIVES】とやらとは、完全に真逆の方向性だしね。通常の戦闘系魔術師ソーサラーにはロスが大きく非効率に過ぎる手段でしょう」

 オルタナティヴとは似て非なる二層構造による【熱】と【金属】のエレメント同時使用。

 いかにエレナといえど、封印解除した状態の魔力総量と意識容量でなければ、実現するのは不可能である。仮に実現させたとしても、不完全体である《アクトレス・レッドウィング》では、充分な威力と効果を発揮できないだろう。
 エレナが出る。
 本気の一撃を見せましょう、と。ベースボールに例えるのならば、最強の魔球だ。
 【ワード】が高らかに響いた。

「――《ハイブリッド・ヒート・ハンマー》ッ!!」

 専用【AMP】により【金属】のエレメントを操作する《パーフェクト・レッドウィング》が、最大出力で《ヒート・ハンマー》を繰り出した。それと共に、エレナは【熱】を最大出力にして【基本形態】を制御した。
 オルタナティヴは先程と同じく『水の盾』で受けにいく。
 盾とハンマーが激突し――

 どギャァアアアっッ!

 HEAT弾とヒート(熱)撃を相乗させたハイブリッド効果による魔術攻撃。
 呆気なくシールドが破壊された。
 ぶぅオン。豪快に振り切られた魔術ハンマーを超速のバックステップで回避しつつ、表情を強ばらせるオルタナティヴ。咄嗟に魔術オペレーションを放棄して、ギリギリだった。
 彼女にとって、こんな破壊力は初めてだ。
 相手の【熱】エネルギーが【水】を蒸発させる気化熱を可逆的に利用して、『氷の楯』に変化させたが、同時に炸裂させられたメタルジェットで、その氷盾が砕かれてしまったのである。莫大な熱エネルギーを氷の冷却力で止めるので精一杯で、メタルジェットまでは凍結できなかった。故にメタルジェットの超圧力で氷の固体性質を奪われて、突破されたのだ。
 エレメントの相性を利した防御理論を【熱】と【金属】という二面性で相殺して、かつ、一点集中させた高密度の魔術出力での強引な破壊劇。

 理詰めで力ずくという破壊の権化――そんな悪魔的なハンマーだ。

 明らかに威嚇の一撃だったが、オルタナティヴは思わず後ずさっていく。
 エレナは悠然と言った。
「冷却効果ではメタルジェットの超圧力は止められない。逆に溶解効果では熱エネルギーを止められない。装甲強度で受けにいくのは問題外。すなわち、この堂桜エレナのハンマーには、どんな防御も通用しないわ」
 極めるのは一芸で充分なのである。絶対に無敵なのならば。
 この《ガイア・メタルハンマー》がある限り、魔術主体での攻防で、絶対に後れをとる事はないのだ。そしてオルタナティヴが近接戦の主軸としている得意のライトクロスは、自分には通用しない。躱して懐に入られても実力で返り討ちに――KOできる。
 事実上、これで勝負あった。
 さあ、そろそろ決着といきましょうか――
 エレナは残忍さで輝く双眸で、オルタナティヴを見据えた。

 

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 みみ架は本館を突き進んでいた。
 エレベータが停止状態(使用不可)なので、非常階段を使わなければならなかった。しかしイベント用に趣向が凝らされていた。一つの階段では四つ以上の階を昇れないのだ。階を四つ上がる度に、フロアを横切って反対側の非常階段に行く必要があった。
 本当ならば、一気に目的階に行きたいのだが……
 太股に巻いてあるテーピングには血が滲んでいる。けれど足取りは力強かった。だが、完璧な歩法を身に付けている彼女にしては、乱暴に過ぎる歩みである。体軸――正中線は全くブレていないが。
 表情は険しい。その理由は、癒え切っていない故障箇所の痛みではなかった。身体の痛みは意志の力で無視できる。けれど心の痛みは、みみ架の未熟な精神では抑え切れないでいた。
 泰然など、今のみみ架には無理な相談である。顔を見た瞬間に、頭の血管がブチ切れてしまうかもしれない――そんな苛立ちぶりだ。

 みみ架の前に、三名の【ソーサラー】が立ち塞がった。

 青年男性が一人。少年が一人。二十代女性である。
 いずれもMKランキングで名の通っている上位ランカーだ。三名全員が元一桁ランカーだった。女性は最高位で3位を経験している。
 彼等はすでに決勝ステージ進出は絶望的な状況だ。
 場所は戦闘におあつらえ向きの共用スペースである。
 みみ架に手を出せずに近くから観ている者、抜け目なくみみ架を追っているカメラの中継を観ている者――いずれもリタイアしてギャラリーと化している参加者達は、みみ架に挑もうとしている三名に固唾を飲む。三名に期待しているのだ。自分達が主戦場としてきたMKランキングの上位ランカー達が、近接戦世界最強【ソーサラー】との評価を受けている相手に通用して欲しいと。両腿の包帯に、右手のギブス。明らかに故障している。十全のみみ架ならば歯が立たなくとも、このハンデキャップならば――
「退きなさい。邪魔よ」
 みみ架は刺々しく言った。
 この階に上がってくるまでに、すでに四名と遭遇して、倒した。
 いずれも瞬殺だったので時間はロスしていない。けれど現在のコンディションを考えると、可能な限り負傷部の消耗を抑えたかった。階段を登るだけで辛いのだ。両足に肋骨。痛みはともかく、悪化は可能な限り避けたい。
 元3位がみみ架を睨む。
「いいえ、退かないよ。近接戦世界最強と戦えるなんて、またとない機会だもの」
 他の二名も口を揃えた。
「アンタの侵入を拒まないとは、光葉も粋な真似をしてくれるぜ」
「それとも、打ち合わせた上でのスペシャル・ゲストかな?」
 仕込みを疑われているとは。みみ架は嘆息した。
 いちいち説明する必要性などない。他人に理解を求めるつもりもなかった。それが基本的な彼女の在り方である。だが、今はそういった性分や主義の問題ではない。
 みみ架にとって、ただ純粋に……
 不愉快そうに本音を漏らす。

 ――面 倒 臭 い わ――

 宣戦布告なしに、みみ架は動く。
 まずは元3位の女性だ。彼女の鼻先スレスレまで接近する。極自然な立ち姿勢を維持したままであった。【不破鳳凰流】運足――《陽炎》である。
 反応できない相手の顎先に、無造作に左手を添えた。正確には、人差し指と親指で顎を包み込むように挟んでいる。
 人差し指に発頸を。
 刹那の差で、親指にカウンターで発頸を。
 ヴゥン。みみ架が左手を離した瞬間、顎先からの梃子の原理で、相手の脳が強烈にシェイクされる。運良く脳内出血は起こらなかった。
 すとん。呆気なく両膝が地面に落ちた。軽く首が前に折れる。
 白目を剥き、その場に力なくしゃがみ込んだ元3位。完全に失神している。
 相手に何もさせない。一切だ。
 戦闘用魔術も何もあったものではない――
「貴方達も邪魔」

 そのままの流れで、みみ架は他二名も同様に失神KOした。

 静まり返るギャラリー達。軽く指を添えただけで、糸の切れたマリオネットのごとく相手が崩れ落ちる――手品の様なKOシーンである。
 沈痛な無言の中、誰かが非難めいた声で言った。
「おい。これってヤバイんじゃ……」
 派手に吹っ飛ばされてのKO劇は、見た目の豪快さとは裏腹に、決め手となった打撃の運動エネルギーは分散されている。故に、前のめりに倒れる方が危険というのは、格闘技においては常識といってよい。野球のデッドボールが、ヘルメットに当たったボールが跳ね返らずに、そのまま落ちると危険なのと同じ理屈だ。
 そして前のめりのダウン以上に危険なのが、真下に崩れ込むダウンだ。
 衝撃が分散せずに、ほぼ百パーセント近く脳に伝達されている。
 KOされた三名は頭を項垂れて座り込んだまま、微動だにしない。口の端から、微かな泡が零れていた。
「マジで危険だ。頭、動かさない方がいいよな」
「こ、こ、後遺症、出るんじゃね?」
「まずいって、この倒れ方」
 強い弱い以前に、次元が違っている――と誰もが理解した。
 みみ架は周囲を睥睨して告げる。

「悪いけど、手加減してあげられる心の余裕、今はないの」

 後遺症の有無までは、みみ架にも分からないが、脳のダメージが抜けるのに最低でも一年は要するだろう。普段の精神状態ならば、いくらなんでも、実力差のある相手に対し、こんな非道かつ危険な倒し方はしない。
 いつもは相手を気遣って、なるべく後ろに殴り飛ばして、脳へのダメージを軽減させる。けれど、今は無理であった。苛立ちを抑えられないのだ。
 誰もが怖じ気づき、道を開けるしかない。

 みみ架は歩を再開する。

 怖さすら感じる美しさと、恐ろしいまでの強さ。MKランキングのトップ層であっても、みみ架を前にこの結果である。
 もうこの場において、彼女の前に立とうとする者は皆無であった――

 

 

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