アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第4部(第22話)

第三章  バーサス(VS) 3 ―戸隠流―

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         3

 A・Bブロックの予選一回戦が行われている闘技場は、声援と歓声で沸きに沸いている。
 一回戦の種目は『スパイダーズ・ウェブ』と命名されていた。
 概要は、以下に述べる通りである。

 ●バトルフィールドは二〇メートル四方で、地上二〇メートルに設定。
 ●蜘蛛の巣状に張り巡らされているロープ上をリングとして戦う。
 ●ロープ中央の紅エリア以外は、自由に切断してもよい。
 ●中央の紅エリア下には水風船がぶら下げられており、その破裂が勝利条件のひとつ。
  ※)水風船は長さ十メートルの紐で繋がれている。
 ●他の勝利条件は、相手チームの全滅(戦闘不能かリングアウト)。
 ●制限時間内(十五分)で決着が付かなかった場合、判定ではなく、両チーム失格。
 ●同時進行している他エリアからの流れ弾は、意図しなければルール内とする。
 ●逆に意図して他エリアを妨害したり、他エリアの水風船を破裂させれば、即失格となる。
 ●流れ弾によって水風船が破裂した場合は、仕切り直し。
 ●水風船へのアタックは、リングより下からに限り、魔術や武器での遠距離攻撃を禁止する。
 ●逆にリング下に降りた相手への攻撃と牽制、水風船の防御は、制限なしとする。
 ●リング上に水風船を移動させて割れた場合、引き上げた者の失格負け。

 また、バトルフィールドの下には、衝撃吸収マットが敷き詰められており、その上には緩衝用の空気魔術がかけられている。頭部から着地しないように姿勢制御用の魔術もかけられており、落下試験は一千回以上行って、リングアウト時の安全を確認したとの事だ。
 ルールを理解した統護は朱芽に意見を訊いた。
「朱芽はどう解釈する? この競技」
「戦術は三パターンになるよね。①相手チームの全滅を狙う。②水風船を割りにいく。③臨機応変に両方を狙う。逆にいえば、どの程度の警戒レヴェルで、相手から水風船を守るかってのもポイントになるかな。なかなか面白そうじゃん」
「水風船で一発逆転を狙えるが、かなりリスキーだよな」
 リングから飛び降りて、なおかつ直接割り行かねばならない。失敗すると、そのまま落下してリングアウトになる。しかも上にいる相手からは容易に狙われてしまう。パートナーが失格している場合は、自力でリング上に復帰する必要あるというオマケ付きだ。
 雲梯の要領でリングの下を中央目掛けて進むのでなければ、なんらかの魔術を使用して空中での姿勢制御と反発動作を行う事は必須技能であろう。
「ま、この程度はどーとでもなるっしょ! ミミ以外なら楽勝楽勝っ」
「だな」と、統護も臆さない。
 朱芽との厳しい特訓を振り返れば、まさに『この程度』に過ぎない。不安は皆無だ。
 すでに試合は行われていた。
 統護と朱芽は試合の様子に注視する。
 他の選手達の戦い方と、めぼしい強敵がいるのかどうか。

『あぁ~~っとォ! 水風船へのアタック失敗! またしてもリングアウトです』

 マイク型【AMP】によって拡張された、アナウンサー(女子生徒)の声が響き渡った。
 実況と録画は、【セントイビリアル学園】の放送部が担当している。
 趣味で自作番組を作っている者達ではなく、大学卒業後の業界入りを進路に決めているプロ志望者集団だ。その技術とノウハウはそこいらのセミプロの域を遙かに超えていた。
 そして放送席の解説には、夏子と美弥子が呼ばれている。
 二会場において、十六試合同時進行となっているが、観戦者はゴーグル型【AMP】を介しての映像系汎用魔術によって、任意の試合を選択して網膜投影できるのだ。
 それとは別に、注目の試合は巨大スクリーンに映され、クローズアップされている。
 試合スケジュールの消化・進行は順調である。
 細かい駆け引きや攻防に欠けた、大味な試合が多いのが理由だ。特殊なルールゆえか、普段の実力の半分も発揮できない者が大半という状況であった。
 十五分以内で決着がつかない場合、両チーム失格という規定なので、早期決着を狙った戦術をとるチームが多かった。両方のチームがリング上に一名を残し、もう一名が水風船を狙いにいく――つまり水風船の争奪戦になるパターンが特に目立つ。この場合、ほとんどが両者失敗の末にリングアウトになり、上に残った一名同士での一騎打ちというオチだ。
 単なる地上二十メートルという高所ではなく、足場としては隙間の大きいロープ上での戦いという事もあり、リング上でも、まともな魔術戦闘にならない者も多かった。
 逆に、このルールを苦にしない者は、あっさりと相手チームを撃破していた。
 初日の間引き手段として『スパイダーズ・ウェブ』は充分に機能しているといえる。
『ここで試合終了~~~ッ!! 第五十九試合目は拮抗した熱戦でした! 試合時間は最長となる九分四十七秒です。それでは続きまして、第七フィールドに登場するのは……


 ――累丘みみ架&美濃輪里央チームですっ!』

 四方全ての巨大スクリーンが、みみ架と里央の経歴・紹介データに切り替わった。
 いよいよ今大会の主役・目玉にして、優勝候補最右翼の登場だ。
 会場がどよめき、空気が一変する。
 やはり、それだけ例の対【パワードスーツ】戦の影響(インパクト)が大きい。
 観客席のVIP達はもちろんのこと、バトルステージ脇に陣取っている生徒達の耳目も、みみ架に集中した。【セントイビリアル学園】魔導科のみならず、他校の生徒と引率の教師が興味と値踏みの視線を向けていた。他に隣の競技場から偵察に来ている者もいる。
 その中に、氷室兄妹もいた。
 統護と朱芽も、第七フィールド上に立ったみみ架を見上げる。
『さあ、超高校級揃いの今大会において、優勝候補ナンバー1との前評判! 累丘選手、威風堂々のリングインです』

 みみ架は普段通りの、深窓の文学少女を想起させる二房の三つ編みだ。

 差異といえば女子生徒に配布されているスパッツを着用している程度か。
 やる気のなさと面倒臭さを隠さない表情である。
 そして彼女のパートナーである一般生徒――里央は、学園指定の運動着のまま、網の目状になっているロープに四肢を搦めてしがみついている。まるで『抱っこちゃん人形』だ。
『なお、ハンディキャップ措置として、パートナーの美濃輪里央さんは一般生徒である事をご承知置き下さい。つまり累丘選手は全ての試合を二対一で戦って貰います』
「ひぃぃ~~ん! 高いよぉ、恐いよぉ」
 恥も外聞も関係なく、里央は半泣きになっている。そんな彼女に、一部の客席からは失笑が漏れていた。
 女子生徒アナウンサーの口上に熱が籠もる。

『優勝候補筆頭に相対しますのは、同じく優勝候補の一角となります!』

 歓声が一際大きくなる。
 明らかにランダムな組み合わせ結果ではなく、意図して組まれたカードだ。
『魔術の名門【魔導十三校】の頂点――トップ3にして西ニホン最高峰の魔術科高校、【関西魔術大学付属高校】からの最強チームが、累丘選手の初戦の相手です!!』
 アナウンスと同時に、二つの人影が高速でバトルフィールド上へと昇っていく。
 登場用の梯子を使用してではなく、何もない空中を駆け上がるように――
 巨大スクリーンの表示が、みみ架から対戦相手のプロフィールに切り替わる。
 それを目にして、朱芽が嬉しそうに呟いた。
「初日のプライムマッチってやつね。初っ端から豪華な対戦カードを惜しげなく出してきたじゃん。さあ、このルール下で事実上の二対一。関西若手ナンバー1の二人組を、どう料理するのか見せて貰うよ、ミミ」
 その呟きに、統護は小さく肩を竦める。
 俺と当たるまで誰にも敗けるなよ委員長、と心中で呼び掛けた。

 

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 二人が空へと駆け上がっていく姿――
 颯爽と登場した二人は、空気を超圧縮して渦化させた拳大の力場――《エア・スクリュー・スポット》を足場として、空中を上方へと軽やかにステップしていく。
 精製された《エア・スクリュー・スポット》は必要最小数の四つ。それ等を二人のステップ毎に、用済みは消しては上に創り出す、と瞬時に繰り返している。
 魔術を起動している生徒がどちらかは判然としない。あるいは両者共にか。どちらにせよ、二人共におそるべき身のこなしである。
 みみ架はその挙動で、彼等のレヴェルが超高校級――より数段上と看破した。
(こういう人達を高校生の大会に出すって非常識ね)
 とん、と微かな着地音。
 二十メートルを僅か五秒で昇り切り、彼等は蜘蛛の巣状のロープ――戦場へと立った。
 リングである蜘蛛の巣状のロープはほとんど揺れない。
 男子生徒と女子生徒のペアだ。
 共に身長と体格はニホン高校生男女の平均値から逸脱していない。
 男子の方はやや細さが目につく反面、女子の方は逆に豊満な印象を与えるスタイルだ。
 巨大スクリーンに示された彼等の名に、会場中が瞠目する。

 出身校:関西魔術大学付属高校
 氏名:風間二三子(三年)
 氏名:風間一太郎(二年)
          注)二人は姉弟

 姉弟チームだ。顔立ちと雰囲気は似通っている。
 スッキリと整っているが美形というよりも地味――個性と華が欠けた貌である。
 姉の二三子はラフにセットしているセミロングの髪を明るめに染めているが、弟の一太郎の頭髪は、くすんだ黒でボサボサのままだった。目の下に濃い隈もある。

『プロフィールをご覧下さい! 弟の風間一太郎選手は次代の風魔小太郎になる身の上!』

 アナウンサーの台詞に、参加選手達の間に大きなどよめきが走った。
 風間=風魔の言代だ。風魔一族はあまりに有名な名である。
『なんと実家は甲賀流・伊賀流に並ぶメジャーな流派――戸隠流の主要一門であり、国内最大の門下生を抱えている一大派閥でもあるのです!!』
 忍者および忍術といえば、かつては実在したが現在ではフィクションの存在――という誤った認識をもつ者も多い。非科学的で古い・時代遅れというイメージもある。
 しかし忍術は現在においても、戦闘技能・諜報技能として高度に進展・発達しながら継承され続けており、いくつもの流派が時代に合わせた形で残っているのだ。
 特に風間姉弟の流派である戸隠流の格闘技能は、『戸隠流格闘術』『戸隠流戦闘術』として、海外にも広まっており、世界中に門下生がいるのだ。その数は二十万人を超える。
 むろん戦闘系魔術師を志す者は、その程度の知識は常識として備えているが、現代忍術について明るくない者を対象として、女子生徒アナウンサーが簡易的に説明を述べていく。
『累丘選手の実家――【不破鳳凰流】一派が国内の警察、自衛隊、その他の国家諜報機関および特殊部隊に数多くの門下生を抱えるニホンの名門ならば、彼ら戸隠流は国内よりも海外でメジャーで、CIAやFIBをはじめとして世界各国の情報部員・諜報部員がその技術を研修・修行しているのは一部では有名な話です。いうなればニホンの【不破鳳凰流】に対し、世界の戸隠流といったところでしょうか。風間姉弟のお二人は【関西魔術大学付属高校】で最強という枠組みに収まらずに、戸隠流の若手世代において世界一というべきホープなのです』
 ニホンの名門VS世界の名門。
 当代の継承者であるみみ架と次期後継者の風間姉弟。
 偶然で決まったカードであるはずがない。初日の目玉として計画されていたのだ。
 朱芽がいうプライムマッチは正解であった。
『なお、この試合ですが、両チーム共に専用【AMP】を保持しておりまして、お互いにその使用を無制限で認めています。それに加えて、風間姉弟チームは複数の暗器(隠し武器)を身に着けておりますが、累丘選手は暗器の使用も全面的に許可。運営側は全ての暗器を大会レギュレーションに従いチェックし、毒が塗られていない等の公正性を確認しております。また、累丘選手は相手側の暗器を事前に知る権利がありますが、彼女はそれを拒否しました』
 このアナウンスに、会場が感嘆の息で溢れた。
 戦闘系魔術師ソーサラーならば、相手の専用【DVIS】と専用【AMP】の使用を拒否するなどあり得ない。通常武器の使用も同様だ。しかし隠し武器である暗器の数と種類を知らずに戦うというのは、あまりにハイリスクである。
 しかも里央をパートナーとした二対一というハンディキャップマッチだ。
 闘技場が昂揚していく。
 二三子が無造作に右足を振り上げ――リングであるロープを全力で踏みつけた。
 ぐわん。
 蜘蛛の巣状のロープが大きく波打ち、揺れが放射状に伝わっていく。
「ひぃぎゃぁぁあああああああ!! 揺れる、揺れる、ゆぅれるぅぅぅううううっ!!」
 必死にロープにしがみついて絶叫する里央。
 適度な張力があるのでロープ面の震動幅は最大で三十センチ程度であるが、地上二十メートルの高所では、その三十センチは大波に感じられた。

 が、……みみ架は小揺るぎしないどころか、上下にすら動いていない。

 風間姉弟も直立したまま姿勢は微動だにしていないが、彼等はロープの震動に合わせて、細かく上下している。体重を感じさせない佇まいだ。
 対して、ロープ面の歪みは、みみ架の立っている位置に近づくにつれて、振幅が小さくなっているのだ。みみ架の立ち位置が、高さの基準面であるかのようだ。
 波紋の形状としては不自然だ。そして、明らかに魔術による現象とは異質である。
 その不可思議かつ神秘的な光景に、闘技場が静まり返った。
 一太郎が驚嘆を込めて呟く。
「マジかよ。正中線を維持するだけじゃなく、重心制御で足場の揺れを押さえつけてやがる」
「重心制御――自重のみではロープの強度と質量からすると物理的に不可能や。足からロープに勁を細かく断続的発射して、揺れを相殺しておるんやろ。まあ、普通にバケモノやな」
 姉の見解に、一太郎が顔をしかめる。
 そこまで見抜けなかったからだ。
 パチン、と二三子は指を鳴らす。彼女の周囲に、小型の竜巻が四つ発生した。

「これがウチら姉弟の【基本形態】――《シャドウ・ツイスター》や」

 専用【DVIS】は、肛門と膣の中に仕込んでいる――と忍者らしい説明を補足した。

 

 

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