アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第4部(第23話)

第三章  バーサス(VS) 4 ―大阪の星(自称)―

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         4

 風間姉弟の《シャドウ・ツイスター》。
 シンプルな形態だが、それ故に使い勝手が良さそうな魔術である。
 二三子が【ワード】を呟く。二つの小型竜巻が圧縮されて、拳大に縮む。
 その上に軽やかに乗り、二三子は言葉を続けた。
「この状態が《エア・スクリュー・スポット》といって、便利なバネ代わりやな。このリングに駆け上がったのも、これを足場にしたんやで」
「テメー。なにしなくていいタネ明かしなんてしてんだよ」
「邪魔するなや一太郎。ウチにはウチの台本あるねん。で、ウチの《シャドウ・ツイスター》には様々な応用・派生魔術があって、例えば、こうやると――」
 二三子は眼前で両手を合わせて、印を組んだ。
 すると残った二つの《シャドウ・ツイスター》が合体して、二三子を覆い隠す円筒と化す。
 ひゅぉぉぉおぉおおぉおおおおっ――……
 風鳴り音が唸る。円筒型の旋風壁の外周に、数多の木の葉が発生した。

「これぞ忍法――木の葉隠れの術やっ!」

 二三子の姿が高速旋回する木の葉の群で、完全に隠れる。
 木の葉が消えた。
 ちなみに木の葉は本物ではない。風間姉弟の専用【AMP】による擬態であった。
 円筒状の旋風も弱まり、分離して元の《シャドウ・ツイスター》へと戻る。

 木の葉隠れの術が解除された後の二三子は――学生制服姿から忍び装束に変化していた。

 派手めなメイクもバッチリ決まっている。
 素顔は地味だが、逆に化粧映えする顔立ちであった。
 会場のあちらこちらから歓声があがる。
『す、凄いですっ! 一瞬にして衣装を替えました。化粧もしてます。なんという早業! お約束ともいえる忍び装束!! これぞ世界に名だたるジャパニーズ・ニンジャです!』
 一太郎がアナウンサーに叫び返した。
「アホかぁ!! 誤解を招く発言するんじゃねえよ!  忍びだからって隠密任務の時に、こんないかにもな忍び装束なんて着ねえよっ!  いつの時代の話だよ!  忍び用の【黒服】だったり衣装型【AMP】だったりと適宜、任務に最適な戦闘スーツを選ぶっての」
 二三子を指さす。

「だいたいピンク地でラメ入りの忍び装束があるかよ!? 全く忍んでないだろが!!」

 キラキラと光沢するピンク色の生地だけではない。
 全体的に布地が不足していた。
 太ももが剥き出しどころか、ミニスカートの丈が足りずに、正面からでも股間のパンツが見えている。ミニスカートにしても、スリットが深過ぎて前と後ろで完全に分離していた。
 上着も同じである。ヘソが丸出しで、胸元が大胆にさらけ出されていた。
 顔に覆面はない。ピンク色のヘアバンドのみだ。
 二三子は豊かな胸を張って、誇らしげ言った。

「そや! これは戸隠流の忍び装束ではなく、ウチの忍者コスの衣装や!!」

 忍者コス――すなわち、忍者のコスチュームプレイの略だ。
 しぃぃ~~ん……
 会場中が水を打ったように沈黙する。
 同時進行していた他の試合も、申し合わせたように中断していた。
 震える声で、アナウンサーが質問する。
『あ、あ、あの。忍者コスってどういう意図というか、え? 戦略とか作戦ですよね?』
「なんや東京モンのアナウンサーの姉ちゃん。ウチの顔と格好みて、ウチの正体わからないとは、モグリの東京モンかいな。カメラマン! ちゃんとウチをアップで映さんかい!!」
『ちょっ、カメラマンに命令しないでくださいよ! それから配布したスパッツどうしたんですか!? 地上からパンツというかお尻が丸見えですよ!』
「ド阿保がぁ!! 見えているやのうて、見せているんや! スパッツじゃファンやカメラ小僧さん達は納得してくれへん。パンツもただのパンツじゃダメや。ギリギリのTバッグやで!」
 二三子は恥じらいなしにスカートを捲り上げる。
 純白のパンツがお披露目されるが、前面の三角地は必要最低限で、後ろは紐のみだった。つまり尻は丸出し状態だ。
「ん? 男共の反応が今ひとつやな。これやるとコミバだと大盛り上がりやのに」
 コミバとはコミック・カーニバルの略称で、ネオ東京ビッグサイトにて夏と冬に開催される、世界最大の同人誌即売会である。
「姉貴、テメー。コスプレ披露とかワケわかんねえんだよ。汚ねえケツまで出すなよ。痴女かよ。俺まで恥ずかしいだろうが」
「黙っとれ一太郎!! ウチの邪魔するなやっ!」
 弟を一喝した二三子は、スマートフォンを取り出すと、その画面を四方に翳した。
 四方に翳すだけではない。汎用の映像系魔術によって表示画面を立体化させてズームアップすると、そのまま空中に固定させた。持続時間はデフォルト設定で一分だ。
『えぇぇぇええええ!? まさか、か、カメラの方向と位置を正確に把握してるんですか!? というか、そういう真似は止めてください!』
 四方に設置されている巨大スクリーンに、二三子が翳したスマートフォンの画面が大きく映し出されていた。

 内容は――超人気コスプレイヤー『魅桜』の公式ホームページ、となっている。

 裸に近い水着姿の二三子がトップページを飾っていた。
 カメラが別の物に切り替わり、巨大スクリーン映像はみみ架サイドになる。
「あ、コラ、なにすんねん!」
『それはこっちの台詞ですってば!』
「ちっ。まあええ。これでウチの正体がわかったやろ」
『正体って、戸隠流のくノ一ってエントリー時点で調査は……』
「阿呆ッ!! 頭悪いんかオノレは! ウチの正体は、今をときめく超人気コスプレイヤー、その名も魅桜サマやっ!! コスプレ界やオタク界では有名人なんやで、ウチは!!」
 全くの無反応ではなく、一部の男子生徒が反応していた。
 完全に畑違いの話題だが、それなりに有名らしい。
『忍者なのに一般人に有名でいいんですか? それから趣味の世界を魔術師の世界に持ち込まないで下さいよ。というか、ニホン酒の銘柄みたいなコスネーですね』
「ほっとけや! ナイスツッコミや! けどウチはこの名前、気に入っとんのやっ」
 二三子は蜘蛛の巣状になっているリングの四方八方に、小型機器を投げつけ固定させた。
 見事なコントロールである。視野外にも正確に投擲していた。腕前は超一流だ。
『すいません。専用【AMP】や武具の敷設は、試合開始後にお願いします。いえ、できるのならば、すぐにでも試合を始めて欲しいのですが……』
「ちゃうちゃう。試合には関係あらへん。自前のWEBカメラや。撮影するんや」
『研究用・資料用としての映像データならば、希望なされば大会後に配布すると……』
「ちゃうねん。夏の新刊用に撮りたいねん。できるだけローアングルでな。もちろん肖像権に配慮して使用するのはウチの画だけや。ちなみに同人誌といっても漫画じゃあらへん。ウチの写真集(特典映像収録のブルーレイディスク付き)やでぇ!! 既刊五冊が大好評発売中やからヨロシクな! 全国の同人ショップに委託しておるし、さっきのホームページからも通販できるで。各種オリジナルグッズも盛り沢山や! みんな頼むから買うてやぁ」
「おい姉貴。いい加減に……」
「営業妨害やで一太郎っ!! こっからが大事なんやぁ!!」
『いえ、弟さんの言う通りに、流石にいい加減にして下さい。これ以上やるのならば、悪質な遅延行為による大会妨害として、失格負けとさせて頂きますが』
 その警告に対して、二三子は平然と切り返す。

「失格負けなら、別にそれでもええよ」

 しぃ~~ん――
『……――へ?』と、アナウンサーの間抜け声。
「魔術戦闘や命のやり取りに関してトーシロの姉ちゃんには解らんやろがの。ウチと一太郎じゃどうあがいても累丘、いや黒鳳凰はんには勝てへんやろ。対峙したら一発で分かったわ」
『試合前からそんな後ろ向きな発言しないで下さいよ』
「事実やしな。てか、それを見誤ると実戦では死が待っとる。もしもこれが実戦やったら、いかにして逃げるかの算段を立てるってレヴェルやな。だが、これは試合や。高校生同士の健全な親善試合やさかい、正々堂々と実力の限りに試合して、観客の皆さんに満足してもらって、そして潔く散ったる! 名勝負みせたる!! せやから、もうちょっと待たんかい!! だいたいスケジュールが押しているならともかく、順調に試合進んでおるやないか。急かすなや!」
『え、ええと……』
「それにな、高校生のウチ等は戦闘系魔術師としてはまだまだ子供や。ひよっこや。先は長く将来がある。けどなぁ、コスプレイヤーとしてのウチは『今』なんや!! 今がピークで絶頂期なんや! 来年は現役女子高生じゃなくなるんやで!? コスプレイヤーとしての将来は、ここから落ちる一方や。胸元とパンツと尻を見せると、男共がチヤホヤしてくれて、群がって撮影して、写真集が売れるのは『今』なんやぁぁあああああ!」
『な、なるほど』
「稼げるのは今なんやで! 商売人としての魂ッ!! 大阪人としての誇りッ!! ウチは今回の対抗戦さえも利用して、もっと稼いでみせるっ! ビッグになるんや! 浪速の生き様、そして《スター・オブ・オオサカ》の二つ名を、この場の東京モンに示したるさかいっ!!」
 二三子は吠えた。
 女子生徒アナウンサーは沈黙する。会場内も気まずさに包まれていた。
 そんな中、【関西魔術大学付属高校】の面々は、揃ってうつむき加減で肩を振るわせる。
 誰もが血圧を上げて、歯軋りしていた。

「――は、恥や。あの女、ウチ等のガッコの赤っ恥や」

 怒りに満ちた一人の呟きに呼応して、他の生徒も口々に続く。
「我が校というよりも、大阪の恥だろ」
「ああ。他の地方の方々に、関西人がみんなあんな風だと誤解されたくないな」
「なにが《スター・オブ・オオサカ》や……。ふざけやがって」
「キング・オブ・バカやろが」
「いくら成績トップで関西最強だからって、アイツを学校代表として人前に出すなよ」
「先生、確かにアイツは強いです。俺達の中で最強だろう。成績も文句なしだ。だけど、人としての価値って、優秀さ、能力とか才覚より大切なものってあると思うんです……」
 引率責任者である女性教師(二十五歳)は、悲しそうに唇を噛んだ。
「分かっています。先生だって分かっているんです。先生の専門は道徳・倫理ですし」
「風間姉は筋金入りの超バカやねん。クイズ感覚で道徳・倫理のテストで満点とってるけど、絶対にその意味とか真理とかは理解してないねん。勉強できるけどバカの典型やからな」
「くっそぉ! どうして、どうしてあんなヤツが関西若手最強なんだ。理不尽だぜ」
「認めたくないわ。アレがウチ等の代表のように扱われるって現実を……」
「逆に考えるのです。先生は思います。仮に彼女が人格者だったのならば、天は彼女に二物を与えた事になるでしょう。天は彼女に二物を与えなかったのです。ノーブレス・オブリージとか力在りし者の責務とかは、……考えないようにしましょう。残念ですが」
「反面教師にしろ、という事ですね、先生」
「そうです。人としての醜さ浅ましさを、風間さんの言動から、どうか皆さん学んで下さい」
「せ、先生っ!」
「若輩ながら教育者の端くれとして、私が言えるのはこれだけです。御免なさい、みんな」
 同じ高校の面々からボロクソに評されている一方――

「実は重大発表があるんや! 今夜の記念懇親会やけど、なんと! この魅桜サンのオンリー即売会がゲリラ的に実施されるんやでぇ!!」

 周囲は静まり返ったままである。
 一太郎は諦めきっていた。
「あまりのサプライズに、声も出ぇへんか。まあ、オンリーちゅうか、ウチが一人でやるってだけやしな。ちなみに今回に限り、全品二十パーセントオフやで。一冊買うとその場で握手。三冊以上お買い上げのお客さんには――なんと、抱擁とほっぺにチューや!」
『あ、あのぅ。その即売会ってちゃんと許可とってます……よね?』
「許可なんて下りるわけあらへんから、ゲリラ的に敢行するんや。止めるってんなら、それでもええでぇ? ガードマンだろうが、警官やろが、ウチの即売会を邪魔するヤツは、戦闘系魔術師として真っ向から戦こうてやるわッ!! 留置所でのクサイ飯は経験済みじゃ!!」
 中指を押っ立てての二三子の啖呵に、引率責任者の女性教師が顔を覆って泣き出した。
 思い出したのだ。留置所に二三子を引き取りに行った時の事を。半ばトラウマになっている。
 先生しっかり、と生徒達が女性教師を気遣う。
『た、戦うんでしたら、ガードマンや警官ではなくて、目の前の対戦相手にして下さいよ』
 そこへ別の声が。

「……――悪いけれど、もう我慢の限界よ」

 みみ架であった。
 それまで腕を組んで、しかめっ面しながらも沈黙を保っていた彼女であったが、ついに言葉を発した。額に青筋が浮かび、ヒクヒクと頬が引き攣っている。
「棄権負けで構わないから、これでおいとまさせて貰うわね。付き合いきれないわ」
 みみ架は踵を返し、里央のもとへ歩いて行く。
 アナウンサーが慌てて絶叫した。
『ちょ、ちょ、ちょっと待って、待って待って待って~~!! 困ります困ります! 累丘選手に棄権されたら運営側的に困りますっ。というか、風間選手だって裏から色々と交渉して姉弟タッグで参戦してもらって、対戦カード組んでいるんですからっ。今日のメインイベントなんですってば!! 二三子さん、今夜の即売会ですけど、私も売り子しますし、売れ残ったら在庫を引き受けますから、お願いですから試合して下さい!! やる気になって下さいよぉ!』
 最後の方はヤケクソ気味で、半泣き声であった。
 二三子の表情が変わる。とても愛想のよい笑顔に。揉み手つきだ。
「ホンマか!? 売れ残りを引き取ってくれるっちゅうんか! いやぁ~~、おおきにぃ。アンタ、とってもええ人やなぁ。ウチ等はもうマブダチや」
『はい。ですから、どうか、どうか試合をお願いします!』
「任せとき。大阪魂ってのはな、他人に迷惑かけん、他人の立場や考えを尊重するっていうのも含まれておるんや。よし、一太郎! 東京モンに大阪魂を見せてやろうやないか」
 ようやく試合を始める気になった二三子。
 一太郎は深々と嘆息しつつも、姉の横に並び戦闘態勢に入る。次の瞬間――

 雰囲気が――豹変した。

 弛緩していた闘技場が、一気に緊迫感・緊張感を取り戻す。
 姉弟が発散しているのは、それ程の殺気と闘気。試合ではなく仕合といった空気だ。
 しかし、刃のような殺気をみみ架は気に留めない。
 気負いのない口調で確認する。

「なるほど。やはり人を殺めた経験があるのね」

 みみ架は初見から感じ取っていた。この姉弟が纏う悲しく儚い空気が、祖父の門下生の中で任務として殺人を犯さねばならない立場にある者達と同種である事を――
 だから、ここまで茶番めいたコントに我慢した。
 二三子は先程とは別人そのものの、冷たい声音で告白する。
「ウチが五人。弟が三人。お役目とはいえ、この手と魂は血に染まっておるで。死後は地獄に墜ちるやろうな。殺しに理由は関係ない。死に責任云々はないんや。ただ殺した結果のみや。ウチ等の本性は畜生の咎人、殺人鬼や。……黒鳳凰はん、ウチ等がアンタに勝機があるとすれば、アンタは殺人を未経験――綺麗な魂と身体のまま、その一点に尽きるで」
「羨ましいよ、黒鳳凰みみ架。魂が血に汚れていない綺麗な、アンタが」
「わたしは他人の命を扱えるような人間じゃないわ。それに魔術戦闘にも強さにも興味ないのよ。申し訳ないけれど、彼方達とは別世界の人間だから」
「ええなぁ、その余裕。でもそれが油断になって、命取りになるかもしれへんで?」
「油断が命取りになる程度ならば、所詮はその程度でしょうに」
 みみ架は突き放す。下手な同情は、風間一族が背負う業を侮辱するに他ならないから。
 気が付けば。いつの間にか。
 会場中が固唾をのんで、双方を見守っていた。
 【関西魔術大学付属高校】の生徒達も真剣な眼差しを向けている。
 自然中断している他の試合は、この試合が終わるまで再開しないという裁定になっていた。
 ぎゅおぉうぉぉおおおおおおおッ!!
 空気が猛り、四つの《シャドウ・ツイスター》が風間姉弟の周囲を回り始めた。
 その小型竜巻を見据え、みみ架は告げる。

「使用エレメントは【風】――とフェイクして、散布した微少な物体を高速で動かして気流をコントロールしている、というところかしら」

 一太郎は表情を変えない。
 二三子は「ヒュー」と、楽しげに口笛を吹いた。
「もう気が付くとは、やはり大したモンや。ってか、なして分かったんや?」
「木の葉隠れの術よ。あの時の木の葉が本物でないのは瞭然で、かつ専用【AMP】の機能だとすると、【風】のエレメントでは扱えない。そして、偽物の木の葉が光学偽装系という事も考え難いわ。光学偽装系ならば竜巻に紛れさせる意味がないもの。つまり、あの偽の木の葉は、細かい粒子の集合体と推理できる。【基本形態】と同OS内で効率的にシンクロ制御しようとすると、別エレメントを組み合わせるよりも、《シャドウ・ツイスター》も同じように微少な粒子群の運動によって生み出している――と考えただけよ」
「大正解や!! まあ、忍者として四大エレメント『地・水・火・風』を使用した基本的な戦闘用魔術も使えるんやがなぁ。やはり魔術戦闘においては、磨き上げたオリジナル魔術理論による魔術戦闘をしたいってのが――忍者ではなく【ソーサラー】の性っちゅうもんや」
 バチバチバチバチィ!
 二三子の周りに細かいスパークが幾つも発生した。
「一太郎、もう見せてええで。この際、ホンマのお披露目や」
「いいのか? いくらなんでも、そこまでタネ明かしするのは……」
「ええから黙って言うコトきかんかい。それに隠しっ放しやと、オノレの戦闘魔術を封じている状態と大差ないしの。どうせ【風】の魔術特性やないのはバレとるんや」
 渋々頷くと、一太郎は魔術を解除した。
 姉弟のオリジナル【魔導機術】――専用【AMP】の本体を不可視にする光学系魔術を。

 掌サイズよりも二回りほど小さい円盤が、二人を無数に囲っていた。

 会場中に驚愕が走る。
「カメラにすら捉えられない、この【AMP】専用の光学迷彩や。天才やろ、ウチ等。そしてこれがウチ等姉弟の専用【AMP】――その名も《ハッタリ君》といって、魔術処理を施した超微細に粉砕された鉄粉が内臓されておるんや」
「理解したわ。鉄粉という事は、彼方たち姉弟の真の魔術特性は……、

 ――ズバリ、磁気および磁界制御といったところかしら」

 この《ハッタリ君》は浮遊機能や飛行機能がある【AMP】ではなく、魔術による磁界制御で浮かせているのだ。
 首肯する二三子。
 一太郎が苦い顔になる。
「色彩はインクジェットプリンタと同じ原理でつけとる。シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック塗料を粒子に吹き付けて、粒子の密度によって濃淡を表現するっちゅうわけや」
 パキン。二三子の指鳴らしに呼応して、小型竜巻の色彩が変化した。

 名称である《シャドウ・ツイスター》に相応しい、影色の竜巻へ。

「普通の風よりも遙かに凶暴やでぇ……。単純に攻撃に用いたとしても空気砲や空気圧、カマイタチとは違って、微細な鉄がショットガンのように襲いかかってくるんやからなぁ」
「それに、ここからは姉貴だけじゃなく、俺も磁界制御に加われる」
 一太郎の台詞と同時に、影色の小型竜巻が八つに倍増した。
 血を分けた姉弟だからこそ完璧にシンクロ制御できる同一エレメントの複合魔術である。
 みみ架は里央に話し掛けた。
「仕方がないわね。もうちょっとだけ我慢していてね、里央」
 すぐに終わらせるわ――という淡々とした彼女の台詞に、風間姉弟は不敵に笑む。
 獲物を狙う二対の双眸。悲哀を棄てた殺人者の冷酷な視線を向けて。

 

 

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