アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第2部(第44話)

 

第四章  破壊と再生 17 ―堂桜那々覇―

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         17

 締里が心配だ。
 事件を解決に導いたスーパーヒロインとして祭り上げよう――とインタビューを敢行してきた複数のレポーターを適当にあしらって、みみ架は締里の隣へ駆け寄った。
 逮捕・連行されるテロリスト達を遠巻きから見ている締里は、悄然となっていた。
「立っているの辛いかしら?」
「違う。……五人しかいないわ。ハルルが、いない」
 みみ架は記憶を探った。
「笠縞陽流さん。楯四万さんが【エルメ・サイア】ニホン支部に潜入していた時に、お友達になった子ね」
 普段はポーカーフェイスを演じている締里が露骨に驚く。
「どうして知っている?」
「これに載っていたのよね」
 みみ架は脇下の特殊ホルダから本型【AMP】を取り出して、該当頁をめくって見せた。
 開かれた紙面を目にした締里は怪訝な表情になる。
 その反応に、みみ架は少し得意げに微笑む。
「ね? 驚いたでしょう?」
「い、いや……。真っ白で何も書いていない。貴女には文字が見えるのか?」
 今度は、みみ架が驚く番であった。
 自分の目には、頁一杯に羅列されている文字が、小説として読み取れる。
(これは……まさか、……わたしにしか読めない?)
 この《ワイズワード》が意図的に自分を選んでいる、とすでに分かっていた。
 だから登場人物の一人としてこの物語を開示し、みみ架に道を――独力では行き詰まる統護をサポートする道を、啓示したと解釈していた。
 しかし自分にしか読めないとなると、それ以外の役割も課せられているかもしれない。
 現に、場の流れとはいえ、彼と契る口約束を結んでいる。

 ――運命。

 みみ架の脳裏に、とある光景が閃く。
 それは統護を見送る自分。共に今と変わらぬ肉体を顕現し――彼が向かった先には、二人の息子が待っている。逞しく成長した一人息子。これから父と子で本気で仕合う。統護は最強という終着点を求めて。息子は最愛の少女にとっての一番を、父から勝ち取る為に。妻と母、どちらか一つを採れない自分は立ち会わず、統護の帰りを待つ。どちらの敗北も見たくない。否、敗れるのは統護だろう。そして我が子が継いでいるのは、鳳凰流ではなく……
 そこでヴィジョンは途切れた。
「どうした? 大丈夫か」
「え、ええ。平気よ。ちょっと目眩がしただけ」
 夢で視た光景ではない。
 新たに確定した運命なのか。
「教えて。貴女にしか読めない資料って、いったい何?」
「物語――堂桜統護と、『とある少女』を主人公とした長編小説よ。それが断片的に開示されて始めているの。今のところ未来篇は全て空白で、現代篇と過去篇の一部が読めるわ」
 締里についても過去は大部分が開示されている。プライヴァシーに抵触する箇所は読み飛ばしているが。すでに読んでいる幾つかの章を、みみ架は思い返す。
 書かれてる内容が真実だとすれば、堂桜統護という存在は……
 そして、閃いた光景が運命ならば、彼の息子を産む自分は……

 

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 ミランダとの戦いの最中、淡雪は決断を迫られていた。
 もう――時間がない。
 手加減して倒せないのならば、ミランダの命を絶つしか、道はない。
 仮死攻撃をロックオンできないのだ。相手は懸命に時間を稼いでいる。こちらが上回っているとはいえ、相手の魔術オペレーションも一流以上だ。
 魔術と魔術のみを互いに競うオペレーション合戦では、これが今の淡雪の限界である。
 ノン・リーサルを貫きKOしにいくには、イニシアチブを握っている淡雪から近接戦闘を挑む必要があるが、残念ながら淡雪の格闘技能では逆にKOされるリスクが高い。
 オールレンジかつ魔術戦と近接格闘をオールマイティにこなして、はじめて戦闘系魔術師ソーサラーを名乗れるが、苦手はなくとも各要素に優劣は発生する。特に相手との兼ね合いで。
 ロングレンジのみを制するだけでは完勝できないのが、魔術戦闘の厳しさでもある。
(時間が、時間がありません……ッ!)
 元【エルメ・サイア】ニホン支部の残党が、孤児院【光の里】を襲撃したとの情報が入った時、米軍【暗部】に、とある連絡が入った。
 下地として淡雪が交渉していた【堂桜防衛産機】の幹部からだった。
 一度は社長である堂桜秋護に拒否されていた。しかし秋護の政敵であり、実妹でもある藍花から承諾の報が飛び込んできた。
 孤児院を襲った予想外の事態をチャンスとみた藍花は、副社長の権限をオーバーラインしてまで、実兄を出し抜こうと独断で【堂桜防衛産機】を動かした。後に役員や株主から責任追及を受けるのは必至だが、それでもチャンスと介入してきた。
 警察が押収するであろう《リヴェリオン》を、【堂桜防衛産機】が極秘開発していた機体がテロリストに流出した、と発表して泥を被ると申し出たのだ。
 藍花への見返りは押収された《リヴェリオン》の機体データと、米軍【暗部】へのコネクション、そして淡雪への貸しだ。対価として、彼女は副社長を引責辞任する事となるだろう。
 その申し出を、米軍【暗部】は淡雪を交渉人として承諾した。
 淡雪への見返りは――ケイネスの居場所を教え、《リヴェリオン》の実戦試験計画を中止して彼女を回収する段取りが整えるまで、猶予を与えるという事だった。
 つまり堂桜側が《リヴェリオン》の件について、警察上層部に根回しが終わるまでが、タイムリミットであり、それまでに淡雪はケイネスを捕獲しなければならない。
 米軍【暗部】はあくまで中立をとり、敵対するのは、淡雪とケイネスだけと明白にした。

 ――相手を殺さなければ、ケイネスに逃げられてしまう。

 途中から、ミランダは勝機を放棄して、牽制しながらの時間稼ぎに移行していた。
 ミランダ程の手練れが逃げの一手にまわると、いくら淡雪といえど無力化は容易ではない。
 ただし問答無用で殺害してよいのならば、――すぐにでも実行可能だ。
(殺す? 相手を?)
 覚悟を自問し、淡雪の脳裏に――統護の顔が浮かんだ。
 天才魔術師であった元の兄ではなく、《デヴァイスクラッシャー》によって不殺を信念とする、魔術を使えない劣等生と揶揄される今の兄だ。
「やはり殺せません、わね」
 たとえケイネスにこのまま逃げられようとも。
 時間切れによる敗北を、淡雪は受け入れた。

「上出来よ。よくもってくれたわね、ミランダ」

 よく通る女の声音が、吹雪の唸りを超えて、淡雪の耳に届く。
 その言葉の直後、息絶え絶えのミランダは足を止め、両膝を地面に屈した。
 標的が止まり、今ならば確実に不殺で無力化できるが、淡雪はそうせずに吹雪を止めた。
 白い嵐が消え――白衣の女と黒いパイロットスーツの少女が鮮明に見える。
 女の声色に、聞き覚えがあった。
 しかし聞こえるはずのない声色であった。
 だから、咄嗟に確かめようとして吹雪を払った。
 ケイネスであろう女科学者を目し、淡雪は驚愕で眼を丸くした。
「そ、そんな。どうして……貴女が……」
 生きているのか、と言おうとしたが喉の奥が引き攣って、上手く声が出なかった。
 そんな淡雪をケイネスは楽しげに観察している。
 ミランダが言った。
「マスター。逃げなかったのですか?」
「米軍【暗部】からのペナルティがあるのよ。というか、個人的にもこれはまたとない機会だから、このまま迎えを待つなんてあり得ないわ」
 自信に満ちているケイネスは、パイロットスーツ姿の少女――笠縞陽流の肩に手を置いた。
 青白い陽流の顔は死体のように生気が抜けていた。
 淡雪は叫ぶ。

那々覇ななはッ!! ――堂桜那々覇、どうして貴女が生きているのですか!」

 堂桜那々覇と呼ばれたケイネスは、淡雪を不敵に睥睨した。
「その名は棄てたわ。堂桜那々覇は死んだの。私はケイネスという名の一人の科学者よ」
 ミランダの情報にも、堂桜那々覇というデータはあった。

 自殺した、とされている堂桜那々呼の実母はは

 幼い従弟を犯しながら殺し、那々呼を孕み、そして那々呼が天才として覚醒した翌日に、自ら命を断ったと記録されている、天才にして狂人。
 死亡確認時に、彼女に関する全てのデータがコンピュータウィルスによって一斉消去されており、顔写真の一枚すら残らなかった故人だ。
 いや、故人のはず――だった。
 故人でも幽霊でもなく、こうして実在、存命している。
 ミランダは理解した。ケイネスが堂桜に対して様々な特殊工作が可能だった理由を。
 ケイネスが嗤った。
「どうしてという言葉は、何故という疑問? それとも目的を聞く質問?」
「両方です」
「疑問の方は単純に偽装自殺だったからよ。目的の方は……、そうね、久しぶりに娘の顔が見たくなったのと、この子かしらね」
 淡雪はケイネスの隣の少女に視線を移した。
 パイロットスーツ姿という事は、この小柄な少女も《リヴェリオン》の搭乗者?
 だが表情がない。意志を感じない。マネキンのように棒立ちのままだ。
「紹介するわね。この子の名前は笠縞陽流といって、私の大切な『お友達』よ」
 小馬鹿にしたような白々しい台詞に、淡雪は怒りを覚えた。

 だが――友達という単語に、陽流の表情に生気が灯る。

 笑顔に見える壊れた顔で、傍らのケイネスを機械的な仕草で見上げた。
 そんな陽流にケイネスは優しく囁いた。
「ね? 友達である私の為に、あの子を倒してくれないかしら」
「分かりました。あたしは――もう友達を失いたくない」
 冷徹に表情を引き締めた陽流の元へ、四つん這いの体勢で四肢を折り畳んだ、走行モードの人型機体――漆黒の【パワードスーツ】が滑り込んできた。
 到着した【パワードスーツ】は四肢を展開して、陽流に空の胴体を向けて畏まった。
 その姿勢は、さながら主を迎える従者のようだ。
 淡雪の記憶にもあった。五機の《リヴェリオン》とは細部が異なっている、その挙動と性能から練習機ではないかと推定されていた機体だ。
 ケイネスが言った。
「教えてあげるわ。この機体名称は《リヴェリオン》というのよ。ああ、警察に押収された例の新型? あれって実は《リヴェリオン》をベースにした下位互換機だから」
 下位互換……?
 知らされた真実に、淡雪は愕然となる。
 つまり――まんまと自分も《リヴェリオン》の実戦試験に組み込まれていた、という事だ。
 ケイネスと淡雪、双方共に米軍【暗部】の掌の上だったのだ。
「そちらが……本物? 本命だったの」
「ええ。下位互換機はAIサポートによるセミオートで動かせる、即席パイロットでも扱える代物だけれど、これはそういったレヴェルではないわ。才能のあるパイロットにしか扱えない、特別製の超高性能機体で、けれど超じゃじゃ馬なのよね」
 ケイネスは陽流に注射器を手渡した。
「私が彼等に目を付けたのは、陽流とお友達になる為だったのよ」
「お友達。友達。――トモダチ
 ブツブツと呟く陽流に、ケイネスは言い添えた。
「その注射が最後よ。次からは必要ないわ。実はね、その注射は神経接続促進のクスリじゃなくてね、私達が友達になる為に必要な儀式だったのよ」
 ミランダが息を飲んだ。
 注射器の中身が――人体強化用の有機ナノマシンであると、気が付いたのだ。
 陽流は注射器の針を、ゆっくりと首筋へともっていく。
「分かりました。マスター」
「マスター、なんて他人行儀な呼び方はやめましょう。だってお友達なんだから私達は」
 ニィィ、と攻撃的な笑みを、ケイネスは淡雪へ向ける。
 注射の意味を知らない淡雪は、怪訝な顔で陽流を眺めるしかできなかった。

「――イエス。マイ・フレンド」

 ぷしゅッ。
 銀色の針が少女の細い首に飲み込まれ、注射器の中身が押し込まれた。

 

 

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