アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第4部(第42話)

第四章  真の始まり 11 ―統護VSみみ架④―

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         11

 

 諦めるの一言。
 対して、みみ架のリアクション。
 絶望! と顔に書いてあるような分かり易い表情に、統護は必死に悲しげな顔を維持する。
 腹筋に力を入れて、懸命に顔筋を制御していた。油断すると噴き出しそうだ。
(チョロいな。まさにチョロインってやつだ)
 他の女達とは段違いの扱い易さである。
 とっくに気が付いていた。例の約束以後、みみ架が授業中に平均五十回以上も自分をチラ見している程度は。あえて気が付いてないふりをしていたが。
 卑怯な約束とか、愛されていない、といった言葉を使うのは、本音の裏返しである。
(これぞ、秘技《みみ架殺し》だ。別名『砂浜で追ってこないでと叫ぶ女を、もしも本当に追わなかったら?』作戦だぜ)
 みみ架の薄ら笑いも、笑顔になりそうなのを、懸命に誤魔化してたのだ。
 青ざめる彼女を、統護は残念そう、かつ大げさに突き放す。
「今日を限りに、俺はお前への愛を棄てる。これで約束に対する重荷は無くなったよな?」
 基本的に棒読み口調で、演技としては稚拙だが、効果は抜群であった。
「ちょ、ちょっと待っ――ッ!!」
「御免な、次代の堂桜よ。お父さん、お母さんに振られちまったよ……」
 統護は空を仰ぎ、震える声で呟いた。
 頬に一筋の滴が流れる。涙ではなく目薬だ。
 対して、顔面蒼白のみみ架は、全身から滝のような汗を流している。
「わ、わわ、わたし、別に堂桜くんが嫌いとかっ」
「でも好きじゃないんだろ」
「さ、さっき堂桜くん、わたしが素直じゃなくて偏屈って言ったじゃないのぉ!!」
 面白いほどに、みみ架は狼狽していた。目が泳ぎまくっている。
 そんな彼女のリアクションに、観衆から失笑が漏れまくる。
 里央が首を傾げた。
「話の流れがよく分からないけど……。ミミが嬉しそうだから、ま、いっかぁ」
 アナウンサーが気まずそうに言ってきた。
『どうやら痴話喧嘩も収まりそうですし、そろそろ試合を再開してくれませんか?』
「待ってくれ、アナウンサーさん。仕上げに入るから」
 いくら作戦通りに、みみ架が動揺しまくっているとはいえ、このままでは隙を突けない。
 統護は懐からとっておきのアイテムを取り出す。
 耐衝撃ケースに入れてあったスマートフォンである。
 それを、みみ架に手渡した。
 不意打ちを警戒しつつ、みみ架は大事そうにスマートフォンを受け取った。
 統護が後ろに下がり、再び二人の距離が開く。
「俺からのプレゼントだ。最新機種だぜ」
 本当は所持しているのを知っているが、この場面でその事実は重要ではない。
『武器としてスマートフォンが登録されていたのってこれが理由だったとは。今までのやり取りって即興じゃなくて、最初からコレやる作戦だったんですね、美弥子センセ』
『呆れて果てて、もう何と言っていいのか、センセにも分かりません』
 みみ架は統護に訊く。
「嬉しいけど……。でもわたし、スマホはあまり使わないし。使用料や乗り換えは?」
 そこら中から「嬉しいのかよ」とツッコミが入った。
「全額こっちで負担するし家族割りを使うから。それに俺がお前に使いたいんだよ。毎日はちょっとしつこいかもしれないから、毎週日曜に、お前にラヴコールしたいなって思って」
「わたしは毎日でも構わないけど、それって堂桜くんに重荷じゃないかしら?」
「お前の為だったら、手間なんて重荷になんてならないよ」
 好きだ・大好きだ・愛している・超愛してる・大切だ――の五パターンほど録音して、ランダムで予約送信するだけだから、大した手間ともいえない。
 優季は半白眼で統護を見ていた。
「統護、絶対に録音とか予約送信で手抜きするよ。女の子にマメな対応なんて無理だもん」
 淡雪が歯軋りしながら言う。
「なんという恥知らずな作戦なのでしょうか。これならば正々堂々と戦って敗れた方が遙かに誇り高い試合です。氷室兄妹戦のお兄様は何処にいってしまったのか」
「ん? 格好よかった統護? あれは本当の統護じゃないからね。幼馴染みのボクは誰よりも知っているよ。統護が色々とダメ人間で格好悪い奴だってね! そしてボクが統護を愛しているのは、統護が格好いいからとか強いからとかじゃないんだ。ボクはダメで格好悪い、そんな等身大な部分も含めて統護を好きだから! あれれ? 淡雪は違ったりする?」
「も、もちろんお兄様の強さや能力は、お兄様の一端に過ぎません。私だって堂桜統護という男がどうしようもないダメ人間で小物だと、優季さんに劣らずに知っております!」
「どうかなぁ~~? 統護は本当にどうしようもないよ!?」
 シスター一号がため息混じりに言った。
「いくらなんでもボロクソに言い過ぎだろ……」
 統護の合図で、朱芽が携帯音楽プレイヤーでBGMをかけた。音量はMAXである。
 臨場感たっぷりのラヴソングだ。
 朱芽も笑い出しそうなのを必死に我慢している。
『すいません。ルール違反ではないとはいえ、勝手に音楽を流さないで下さい。しかも試合に相応しくないラヴソングを』
 統護は苦情を無視して、自分のスマートフォンをコールした。
 コール先は――みみ架にプレゼントしたスマートフォンだ。
 みみ架はハッとなり、右手に握った、着信音を奏でているスマートフォンを見つめる。
 この寸劇はどう決着するんだ? と誰もが苦笑する中。
 統護はスマートフォンの画面を、みみ架に翳した。
 画面に表示されている登録ナンバー名は――

 

 ……[ 伝えたい。君に、素直な気持ちを ]だ。

 

 堪え切れずに、みみ架はスマートフォンを両手で包み、通話ボタンを押そうとする。
 すとん。
 着信を受けて通話可能になったスマートフォンが――砂地に落下した。
 統護のスマートフォンも地面に落ちていた。

 

 みみ架の懐に、統護が踏み込んで密着している。

 

 いつの間に――と、誰もが息を飲んだ。
 神速のステップイン。
 完全なる虚から実。みみ架でさえ反応できずに、統護の接近を許し、愕然となっていた。
 会場中の声が綺麗に揃う。

 

「「「「「「「 セコッ!! 」」」」」」」

 

 一瞬の遅延のみで、みみ架の思考が戦闘モードに切り替わる。否、鬼神に戻った。
 ギラリと双眸を輝かせ、引き攣った口元から零れた言葉――

 

 まさか 無 拍 子 とはね。

 

 無拍子とは。
 どれ程の超速度であろうと、一拍子ないし半拍子という刹那で察知できる達人に対し、タイミングと必要動作の抜けにより、察知に要する刹那すら『無』にする奥義の総称である。
 みみ架であっても、完璧には体現できない奥義の中の奥義だ。
 統護にラン&ガンが不可能な様に、みみ架にも無拍子は不可能である。
 相手に気が付かれずに、いつの間にか成している――という神業を統護は狙っていた。
 流石に攻撃まで無拍子でいくのは無理であったが、機先を制し、体勢は充分だ。
 統護は右拳をみみ架の脇腹へ添えている。
 追従を強いられたみみ架も、統護の左胸へと、右の縦拳をもっていく。
「それでも遅いわ、堂桜くん」
 二人の腰がガニ股になって、ほぼ同時に大きく沈んだ。
 右と左で異なっているが、二度目のダウンシーンと同じ構図になっている。
 優季が叫ぶ。
「やった! 委員長の《ワン・インチ・キャノン》は間に合わない!!」
 純粋な寸勁としての威力は、みみ架が上であっても、統護には超人的な膂力と耐久力がある。
 相打ちになれば、勝つのは統護だ。
 ガガガガガガガガッ!!

 

 砂地の中から、サンドワームのように《ワイズワード》の疑似ワイヤ群が飛び出してきた。

 

 すでに地面に固定済みの疑似ワイヤは、瞬時にみみ架の四肢に巻き付く。
 待機していたのだ。途中から《ワイズワード》の頁で武具を精製しなくなっていたのは、この為であった。虚を突かれても決め技にいける様にと。
 笑顔が崩れた優季は呆然となる。
 淡雪が絶望の声を上げた。
「お兄様の策よりも、黒鳳凰さんの策が上でした。お兄様の――負けです」
 ガカァンッ! 相打ちだが、発勁の炸裂音は一つであった。
 二人は反発する磁石のように、後方へ弾き飛ばし合っていた。
 互いに空中だが、表情は対照的だ。
 したり顔の統護に対し、みみ架は驚愕している。

 

 みみ架と地面を固定していたはずの疑似ワイヤが、次々と消えていく。

 

 統護に炸裂させた発勁の反力を共鳴させられずに、そのまま反作用で吹っ飛んでいるのだ。
 それだけではなく、みみ架の懐から煙が上がっていた。
 《ワイズワード》に挟んである栞――みみ架の専用【DVIS】が燃えている煙だ。
 この一撃を決める為の、今までの攻防であった。
 煙に気が付いた優季が言った。
「さっきと同じ相打ちでも、統護が打ったのは寸勁じゃなくて……ッ!」
 アナウンサーが叫ぶ。

 

『ここで《デヴァイスクラッシャー》だぁァあああああッ!!』

 

 十八番の《ワン・インチ・キャノン》のみならず、みみ架は全ての魔術を破壊された。
 互いの策と策は、統護が紙一重で上回ったのだ。
 両者が着地する。
 予め攻撃を食らう心構えがあった統護は体勢を崩していない。だが、不完全とはいえ発勁を再び受けて、ダメージは深刻だ。本当に余力が極僅かになっている。
 みみ架も倒れはしなかったものの、大きく体勢を崩し、慣性で後ろによろけていく。
 肉体的なダメージはなくとも【魔導武術】を破られた精神的なダメージが窺える顔である。
 鬼神と形容される凄みは消えていた。

 

『まさかの《ワン・インチ・キャノン》失敗ぃぃいい!! みみ架選手、どうにか着地で踏み留まりましたが、すぐ目の前に統護選手が迫っている!』

 

 統護は快心の笑みで呼び掛けた。
「どうだ? こんなミス、普段のお前ならあり得ないだろ? これが『究極チート奥義』である秘技《みみ架殺し》の効果だっ!」
 辛うじて迎撃態勢になったみみ架が、目を血走らせて怒る。
「愛の告白なら、もっとマシなやり方にしなさいよっ!」
「いいや。偏屈で素直じゃないお前には、最高の告白だったろ!! 愛してるぜ!」
 ブチ。みみ架の額から血管が切れる音。
「こンのぉぉぉおおおおッ!!」
 みみ架は両拳を構えた。腰を落として、ガニ股になる。超人的な馬力で突っ込んでくる統護の突進を止める方法は、【魔導武術】が破壊されてしまった今、たった一つしかない。
 統護は左フックを振るった。
 そこへ震脚と同時に、完璧なタイミングで、みみ架の左縦拳が一閃する。

 

『カウンターの発勁ぇぇえええええッ!!』

 

 三度目の発勁。
 ガクンと統護の身体が力なく横薙ぎに崩れていく。
 しかし、左のカウンターで叩き込まれた発勁を、統護は堪えた。耐え切った。
 ダメージで意識が飛びそうになるが、どうにか踏ん張る。
 モーションの大きい左フックで、あえてカウンターを呼び込んだのだ。化勁は無理でも、耐久力にモノをいわせてKOされない自信があった。シンプルに『肉を切らせて骨を断つ』だ。
 そして渾身の順突きであったみみ架の左縦拳は――ボクシングのパンチとは違い、引き戻しが遅いという欠点がある。
 歪な半笑いを浮かべたみみ架は、反射的に左拳を戻しにいくが、間に合わない。
 グしゃァン!!
 統護の右ストレートが、みみ架の顔面にクリーンヒットした。
 みみ架が吹っ飛ぶ。
 ぐるん、と彼女の顔面が捻れて、背中から地面に叩きつけられるように倒れ込む。
 扇状に広がる艶やかな黒髪。一拍置いて、四肢がパタンと落ちた。
 大の字だ。
「ご……ふぅッ」
 四肢が震え、起き上がれない。みみ架は光が消えた瞳で、空を胡乱に見つめている。
 淡雪と優季が笑顔で抱き合って、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
 ぉぉぉおおおおおおおッ!!
 衝撃のダウンシーン。
 大歓声が怒号のように巻き起り、闘技場を揺さぶる。
『ダウンダウンダウンダウンダウンダウンダウンダウンダウン、ダァァウゥ~~ンッ!! 逆転、起死回生のダウンです! 信じられない光景、あの黒鳳凰みみ架が倒れたぁぁああッ!!』

 

 

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