アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第4部(第20話)

第三章  バーサス(VS) 1 ―開催―

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         1

 夏子はスマートフォンにプリインストールされている汎用型投影魔術を起動させて、とある事件のまとめサイトを、眼前にホログラム(立体映像可視)化させていた。
 円筒状に展開されているウィンドウ群がゆっくりと回転し、夏子に選択を促してくる。
 精神接続しているので実際に指先で触れる必要はないが、より選択思考を明瞭とする為に、夏子はウィンドウの一枚を軽く突いた。そのウィンドウが霧散し、夏子の網膜にニュース動画を再生する。
 記者会見の模様だ。渦中の冬子は不在である。【魔術化学研究所】の所長が記者達から質問を浴びせられていた。多くの記者が「STAE細胞は実在するのですか?」と訊くのに対し、所長はうんざりとした顔で、「STAE細胞の有無や論文内容の妥当性と、伊武川の不正は別問題だと理解しろ」と訂正を入れる。そして「この先、STAE細胞の存在が確認されても、伊武川の不正は許されない」と続けた。しかし、マスコミは「では、STAE細胞は嘘だったのですか?」と蒸し返すのだ。「STAE細胞が発見されれば、伊武川博士の逆転勝利ですよね」「いい加減に問題の本質を理解しろ。問題は不正だ」あまりに頭の悪い質問に、所長の不機嫌さが増していく。

「ひょっとして、クィーン細胞の関連記事ですか?」

 不躾な男性教師の言葉に、夏子は振り返った。
 今は放課後の一時だ。
 仕事が一段落しての休憩時間中であったが、此処は夏子に宛がわれている準備室ではなく、全教職員が一堂に会している職員室というのが、よろしくなかったようだ。
 魔導学科の専用教師は職員会議以外では、職員室に顔を出さない者も多いが、夏子としては此処にも机が用意されているので、なるべく足を運ぶようにしていた。
 今回はそれが裏目に出た格好だ。
 三十後半の男性教師が嫌悪感を隠さずに言う。
「伊武川先生ご本人には、何の罪も責任もないとはいえ、本当に迷惑な騒ぎでしたなぁ」
「申し訳ありません」
「クィーン細胞が実用化されれば、単なる再生医療に留まらずに、遺伝子や生体データの自律改変まで可能になる……などと煽っておいて、実験用マウスはすり替えられているわ、iPS細胞が仕込まれていただの、本当に酷い話だ。モラルや常識が欠落し過ぎていますな」
 若返りどころか、人類の進化に繋がるの夢の細胞――という謳い文句だった。
 もっとも魔術現象なしに、そのような事象など不可能だという反論も最初からあった。
 夏子は再度、謝罪する。
「ご承知だと思いますが【魔術化学研究所】は特殊法人資格を剥奪されて、その監督権は文部省に移っています。秋に予定されているSTAE細胞の再現実験に失敗すれば、妹の懲戒解雇と、最悪で【魔術化学研究所】の解体処分です。その時には、冬子が受け取った奨学金、給与と研究費を全て、この私が責任をもって賠償する所存です」
「ニホンの科学分野の世界への信頼を失墜させておいて、世間はそれで納得しますかな?」
「それでも私には家族を代表して、世間に謝罪するだけです」
 ニタニタと嫌らしい笑みを、男性教師は夏子に向ける。
 他の教職員は見て見ぬ振りだ。中には、男性教師と同じく非難の目で夏子を見る者もいた。魔術教師と一般教師の溝は、生徒間同士よりも深刻というのが実相なのだ。大人間のイジメと確執は、子供間のソレよりも時に執拗で陰湿である。

「……あのぅ。対抗戦の資料、最終調整が終わりました」

 おずおずとした、気弱そうな口調。
 男性教師は振り向き、目に入った女子生徒に顔をしかめた。
「どうした美濃輪。進路相談なら後にしろ。それとも授業で解らないところでもあったか?」
 美濃輪里央。普通科の二年生である。
 小柄で控えめ、テディベアを想起させるマスコット的な容姿の少女だ。
 その頼りない外見からくる印象通りに体育系の教科は壊滅的であるが、受験主要教科は全て学園トップクラスを誇る。要するに普通科二年で主席であった。
「いいか、前の全国模試で初めて総合十位以内に入ったからといっても油断するなよ。お前の目標はT大理学部の現役合格じゃないんだ。主席合格なんだからな!」
 語気を強める男性教師は、来年度の進路指導担当だ。ただし魔導科の生徒は担当しない。
 夏子は思う。里央本人は首席合格に拘っていないのに、こんな教師に目を付けられて災難だな、と。とはいえ、嫌なモノは嫌と拒否できない里央にも問題はあるが。
 里央は顔を強ばらせて、首を横に振った。
「ち、ち、違うんです。進路とか受験じゃなくって、美弥子センセからのお使いで」
「はぁ? お使いだと」
「伊武川センセ、これプリントアウト終わりました。チェックお願いします」
「なんだ美濃輪。お前、ひょっとして対抗戦に首突っ込んでいるのか。そんな無駄な事をしている時間があるなら受験対策をしろ。体育祭も怪我だけは気をつけろよ」
 里央は下唇を噛んだ。
「それから、伊武川センセ。ミミ――じゃなかった、累丘さんのパートナーですけど、私に決まりましたので、登録をお願いします」
 男性教師が里央に詰め寄った。
「今なんと言った!? まさか【ソーサラー】共の野蛮な喧嘩に参加するつもりなのか!? 誰に押しつけられた? 正直に言いなさい。まさかイジメとか遭ってないよな? 先生はイジメとかは許さないから安心しろ。お前の参加を取り消してやる」
「ち、違いますっ! 立候補したんです。全員で十八名。それで話し合いの結果、ジャンケンやって私が勝ち抜いたんです。ちょっとでもミミの役に立ちたかったから」
「わかった。累丘のパートナーは美濃輪に決定で話を進めておく」
「いいか美濃輪。悪い事はいわない。魔導科の連中とはあまり関わり合うな。奴等は良くも悪くも、一般人の俺達とは住む世界が違うんだ」
 里央は悲しそうな顔になる。
「だ、だけど……。魔術を開発したり、オリジナル魔術を扱えるってだけで、一般生徒との違いなんて。それにミミは相談乗ってくれたり、勉強教えてくれたり、優しいし」
 口を滑らせた里央に、男性教師は激昂した。

「勉強で解らないところがあるのならば、まず先生に訊けッ!!」

 その大声に、職員室中の視線が集まる。
 里央は身を竦ませた。
 周囲の注視に、ばつが悪そうになった男性教師は、声のトーンを抑えて言葉を続ける。
「確かに、魔導科の生徒の理系科目の知識・理解度は、下手な大学教授よりも上だ。しかし、魔導科の連中の勉強は、自分のオリジナル魔術理論の土台であり、受験とは関係ない」
 進学校としても超一流である【セントイビリアル学園】は、例えば理数工学系学部に進学予定の生徒には、高校二年の段階で大学修士レヴェルの物理・数学を終えさせている。
 中には、特殊相対性理論や古典量子論まで踏み込んでいる生徒もいる。世界屈指かつニホン最高学府であるT大・理Ⅲ志望の里央もその中の一人である。むろん学者としての探求ではなく、受験科目対策としての効率が最優先された取り組み方をしていた。
 対して、魔導科の生徒は受験科目対策ではなく、魔導理論の基礎としてカリキュラムやテストを度外視して独学する者が大半だ。古典物理学の研究のみに留まらず、量子物理学の研究まで行っているのだ。魔術による超常事象を体現するのに必須だからである。一般相対性理論など序の口で、オリジナル魔術理論に必要ならば、独自の超高等学問を確立し、しかも秘匿している者も多い。
 魔導理論関係科目以外の定期テストで、意図して点数をセーブする生徒も珍しくない。いや、全力で取り組んだ結果というのは建前に過ぎず、自分達で決めた学内序列に従った『点数調整』を行って体裁を整えているのは、公然の秘密だ。
 魔導科の生徒――特に【ソーサラー】志望者にとってのステータスと自己評価項目は、テストの点数や偏差値といった学校成績ではなく、実技と魔術戦闘における強さなのだ。
 理数系・物理系の学科は、魔導科の生徒は魔術教師が専門で教える。普通科の理数系教師どころか大学教授レヴェルですら、魔術師以外が魔導科の生徒に数学や物理を教えるなど、釈迦に説法もいいところだからだ。
 反面、【ウィッチクラフター】志望者を除くと、魔導科の生徒は物理系以外の科目に対し、露骨に手を抜く者が多い。彼等は、普通科の教職員では手綱を握れないのだ。
「お前たち受験生と、魔導科の連中は勉強に対するスタンスが違うんだ。連中が超天才なのは先生も認める。だが天才である以上に狂っている。アイツ等はとにかく秘密にしたがる。世の中に溢れている汎用魔術にしても、連中が独占している秘密の一端だろう。一般人に役立つからこそ世間は我慢しているが、本当なら戦闘系魔術師なぞ、此の世からいなくなれば……」
「話が逸れていますよ」
 夏子は釘を刺す。
戦闘系魔術師ソーサラーや魔術戦闘が、魔術犯罪と同等に一般社会および一般人から疎まれているのは事実です。しかし魔術のみならず、科学技術にしても最先端をいっているのは軍事関連です。魔術にせよ科学にせよ、遺憾ながら戦闘・戦争が技術の進歩を牽引する――それが現実だ」
 夏子と男性教師の視線がぶつかる。
 慌てて、里央は深々と頭を下げると、早口で謝罪した。
「な、なんか色々とすいませんでした! 今度から解らないところは先生にご指導を仰がせて頂きますのでっ」
 此処が落としどころか――という空気になる。
 男性教師は不承不承といった態で、里央に言った。
「そうしろ。受験勉強については、先生の方がスペシャリストだ。もしも美濃輪が学歴や就職の為じゃなく、学者・研究としての勉学に励むつもりなら、大学に進学してから好きにしろ。受験や就職でないのなら、先生の領分じゃないからな」

 

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 本日は快晴である。
 【セントイビリアル学園】の体育祭、初日だ。
 高校の体育祭に父兄が参観にくるなどレアなケースであるが、今年度は違った。
 観戦客で溢れていた。
 父兄のみならず招待客もだ。
 そして【堂桜セキュリティ・サービス】による厳戒態勢が敷かれていた。
 早朝からメイン用の陸上グラウンドは盛り上がっている。
 有料での入場ではないので主催者からの入場者数の発表はないが、招待客が数百人で、父兄や生徒関係者が推定で八千人以上と、学校行事とは思えない規模であった。
 普段は父兄でも申請なしでは来校できない魔術名門校とあって、道場・体育館・校庭と各グラウンド周辺には様々な出店が並んでいる。もうすぐお昼なのでかき入れ時だ。
 ちょっとした祭りの様相であるが、内容自体は高校生によるごく普通の運動会に他ならない。
 グラウンドでは陸上競技とサッカーと野球とテニス。
 体育館ではバレーボール、バスケットボール、そして卓球。
 道場では剣道と柔道が行われる。
 球技と剣道・柔道は個人戦はなく、一クラス一チームとしての団体戦となる。
 日程は三日間だ。どの競技もリーグ戦にせよ、トーナメント戦にせよ、初日と二日目で予選を終えて、最終日に準決勝と決勝というスケジュールが組まれていた。

「やったよミミ! 見てたよね? 百メートル走で六位だったよっ」

 里央が笑顔を輝かせて、みみ架に抱きついてきた。
 上はTシャツに下は紺色の短パンという、学校指定の運動着である。
「おめでとう。それから暑苦しいわ」
 みみ架は里央を引き剥がす。ちなみに二年女子百メートル走・予選は八人で走り、上位三名が準決勝へ進出する。そして陸上部をはじめとした本当の足自慢は、学年無差別にエントリーするので、二年生限定レースに出走という時点でオマケのようなものだった。
「ミミのコーチのお陰で、最下位じゃなかった」
「そ、そうね……」
 みみ架はお茶を濁す。請われてフォームの修正を指南したが、あまりコーチングが反映されている走りには見えなかった。もうちょっとマシなフォームなら三位以内は堅かっただろう。
 里央とは違い、みみ架は運動着ではなく、普段の学園制服姿だ。
 魔導科の生徒は普通科・商業科・工業科・情報工学科・芸術科の生徒とは異なり、一般種目には参加できない。
 これは【セントイビリアル学園】内での特例ではなく、世界共通認識だ。

 プロ・アマ問わず一般スポーツに魔術師は不干渉・不介入――が、世界のルールである。

 批判はドーピングの比ではない。アスリートにおける魔術的強化および不正は、確定すれば一発で永久追放処分となる背信行為なのだ。
 ゆえにアスリート達は可能な限り汎用【DVIS】を遠ざける。そして魔術関係者には接触しないようにする。魔術師サイドもアスリートやスポーツ界とは距離を置く。
 アスリートの強さは社会的に賞賛されるものであり、魔術師の強さは、表向きは超エリートで高収入あっても、実相としては社会的に忌避されるのだ。
 戦闘系魔術師ソーサラーはその覚悟をもって、己の強さを追求する者ともいえた。
 里央が言った。
「そろそろ集合時間じゃないの?」
「そうね」
 気が付けばグラウンド周辺から父兄以外の観戦者の姿が消えていた。
 予定では十一時ジャストだ。

 体育祭の初日である今日は、対抗戦の初日でもある。

 開会式典の類はない。そういった装飾は可能な限り排除されている。
 予定通りに参加校や参加人数まで極秘扱いのまま、対抗戦の幕があがる事となった。
「何校くらい、何チームくらい参加するのかな?」
「予選ブロックであるA~Dへの振り分け判明するわね」
 そして、各予選ブロックへの抽選振り分けが終わり次第、予選第一試合が開始するのだ。
 初日は予選一回戦のみでチームを半分に減らす。
 二日目が一回戦を勝ち抜いたチームによる予選本番となり、各ブロック覇者が決まる。
 最終三日目が、A・B・C・Dブロック突破四チームでの決勝トーナメントだ。
「ねえ今晩の記念懇親会だけど……」
「気は変わらない。何度も言っているけど、興味ないし欠席するわよ」
「えぇ~~!? ミミが出なかったら私も出にくいよぉ~~」
 初日の夜には、対抗戦のスポンサーによる懇親会が予定されていた。
 対抗戦の参加チームの出席は強制ではない。明日からの戦いへ備えて、コンディショニングを優先するのも選択肢として大切だ。だが、魔術関連の大物が顔を揃える懇親会に主席して顔を売るのも、将来への布石として、コンディショニングと同等以上に重要でもある。
「里央が懇親会に出ても、あまり意味ないでしょ」
「大ありだよ! だって超一流ホテルで超豪華な料理が食べ放題なんでしょ?」
 みみ架はそっと嘆息した。

 

 

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