アニメを斬る!

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魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~ 第5部(第27話)

第四章  託す希望 6 ―トリック―

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         6

 

 検査室から出た統護が目にしたのは、拘束されているポアンであった。
 拘束具は使われていない。

 

 腹の前で合わされたポアンの両手が――石化している。

 

 魔術効果だ。信じられない。統護は思わずオーフレイムの方を見る。失神したままのオーフレイムも同じく全身を石化させられていた。
 統護がラナティアだと思っていた女は、怪我を負っているように見せかける為の特殊メイクを剥ぎ取り、素顔を晒している。
「安心して。オーフレイムは呼吸ができる様に口と鼻だけは石化させずに残してあるから」
 声色が変わっている。
 初めて聞く声音だ。統護は理解する。今の今まで彼女は地声を隠していたのだ。
 いや、違う。この状況からして彼女ではなく彼女『達』――であろう。
 トイレで合流する時に、入れ替わっていたのだ。
「お前……、その声は」

 

 ポアンを拘束している女――ラグナスが薄く笑う。

 

 二人を石化させたのは彼女の【基本形態】――《ゴルゴーン・スネーク》の魔術特性である。
 使用エレメントは【地】。時限式で石化が解除されるパラメータ設定だ。
「その声が地声かよ」
「いくら訓練しているとはいえ、人間の耳じゃ声紋まで聞き分けるのは難しいものね」
 締里でさえ、二人が最初から地声を隠していた事に気が付けなかった。
 いや、失念していたのだろう。
 思えばあの時。男達に暴行を受けて無残に負傷したラナティアの顔を見て、微かなデジャビュを覚えたが、それもそのはずだ。元の顔がラグナスと相似しているのだから。
 しかし声はともかく、どうして二人の顔に、工作員である締里が気が付けなかったのか。
「わざと顔を負傷して俺の目は欺けても、締里がそんな手に引っかかるなんて」
 統護の疑問に、ラグナスが小鼻を鳴らした。
「締里は顔の負傷ではなく、頭蓋骨の形状で人の顔を認識するからね。工作員、諜報員は他人の変装を見破る、あるいは他人のそら似を混同しないようにと、徹底して頭蓋と顔の肉付きを識別する訓練を受けているのよ。けれども、それだって所詮は人間の眼に過ぎないわ。コンピュータでの解析とは違い、いくらでも心理的なノイズを混ぜることができる。あの子は自身の認識眼にを過信していた。だって《究極の戦闘少女》だもの。つまり『究極の工作員』ではない。戦闘技能と比べると潜入工作の実力は数枚落ちといったところかしらね」
 そこで一端、言葉を切り、ラグナスは吐き捨てるように言った。
「革命家気取りのイカレタ両親によって、妹は外科的に頭蓋骨を歪まされた。表面上は顔の相似性を維持したままね。特殊工作員の目を欺くという、そんなクソみたいな理由で……ッ!!」
 ラグナスの瞳には憎しみの炎が灯っている。
「じゃあ、本物のラナティアは今頃……」
「死んでいるってば。『本物の』同志ラナティアは、とっくの前にね」
 ギリ、と統護の奥歯が軋んだ。
「殺したのかよ。おそらくは、あのセーフハウスで」
「正解。私と妹は少しばかり特殊な一卵性双生児なのよね。その特性が前提の作戦だったから、トリックと呼べる小細工は使っていないわ。正々堂々とアンタ達を欺かせて貰った」
 疑ってはいた。最初から二人がグルで、一芝居うっているのではと。
 その疑問は、締里だけではなく統護とて、何度も考えていた。けれども、二人がグルだとすると、どうしても運・偶然に頼らなければならない箇所が多かったのだ。
 しかし、そういった不確定要素を排除可能な『ナニか』を、姉妹は有しているのだろう。
 ポアンが落ち着いた口調で、統護に呼びかけた。
「堂桜統護くん。私の事は心配しなくていい。全てが役割だと受け入れているよ」
「喋るな、人質」
 冷たい声で、ラグナスはポアンを黙らせた。
「ポアンの話によると、段取り通りにレアメタルを助手二人から渡されたのでしょう? それを寄越しなさい。種明かしじゃなくて、その為にわざわざ統護を待っていたんだから」
 統護は素直にレアメタルをラグナスへ投げた。
 片手でキャッチしたラグナスは、素早くレアメタルをポケットに滑り込ませた。ポケットから出た彼女の手には、特殊ラバー製の拘束バンドがある。
「本当なら身体検査をして、他に本物を隠し持っていないか確かめたいけど、生憎と今はそこまで時間的な余裕はない。助手がいるなんて予定外だし、これでおいとまさせてもらうわ」
 ラグナスは拘束バンドを統護の足下に投げた。
 石化の魔術が通用しない為に用意してあった拘束具だ。
 統護はラグナスの指示に従い、庭園内にある常夜灯を潜らせて、後ろ手でバンドを嵌めた。
 これで自力では動けなくなった。
 全てが秘密裏である事が前提のミッションである。統護は検査室内にいるウリエルとベリアルに拘束を解いて貰ったとしても、外部組織にポアンの救助を要請できない立場だ。
 この後、締里と合流してラグナスを追うしかないのである。
 統護はラグナスの手際に脱帽した。
 こちら側の事情まで織り込んだ上での裏切り計画だ。それも可能な限り、こちら側のミッションを利用している。トータルで相手が上手だったと認めざるを得ない。

 

「最後に統護。アンタ――あの中でレアメタルの秘密を知った?」

 

 統護は正直に答える。
 自分達を裏切った彼女ではあるが、統護に語った言葉は本音だと思うから。
「一端を知ったんだが、外に出た途端に忘れたよ。内部にはそういった【結界】が維持されている。お前の正体が何者でも、伝えられるのならば伝えた方がいいとは思った。嘘じゃない」
「なるほど。その程度の保険はかけているか。まあ、いいわ。このポアンから聞き出せは済む話だもの」
「なあ、ラグナス。俺と締里を利用したのはいい。けど、お前はレアメタルの秘密の為だけに仲間を裏切って、殺したっていうのかよ」
 ラグナスの顔が歪む。憤怒と悲しみが混じった表情だ。
 震える声で言った。
「そんな単純な話じゃない。いや他人からは単純な裏切りね。けれど私はこの王国を変えたい。国が変わっても、もう私達姉妹の人生は変わらないけれど、それでも……変えるのよ」
 統護は何も言えなかった。
 覚悟を感じる。不退転の決意。ラグナスは今回の事件で死ぬ覚悟があるのだ。
 踵を返したラグナスが、去り際に言い残す。
「このニックラウドを脱出すれば、一直線に国外まで脱出できるルートを確保している。実質的にポアン強奪計画は、私達姉妹の手を離れるわ。逆にいえば、ニックラウド内の脱出径路は、アンタ達のミッション計画をそのまま流用する。ファン王家や工場警備隊あるいは警察に通報したのならば、追跡が発覚した時点でポアンは殺す。間に合うのならば、アンタと締里で追ってきなさい。二対二で決着をつけましょう」
 間に合うのならばね、とラグナスは挑発的に頬を釣り上げた。
 統護は呼びかける。ラグナスではなくポアンに。
「必ずだ。必ず助けるから、待っていてくれ」
 期待している、と応えたのは、ポアンではなくラグナスであった。

 

         

 

 ラグナスは妹と合流して、工場からの脱出に成功していた。
 迅速に実行できた。特に問題もなかった。
 警備態勢というものは、総じて入館時と比較すると退館時にはチェックが甘くなりがちだ。
 ポアンを変装させるだけで、業者として楽に検問を通過できた。
 入手したレアメタル原石――《アスティカ》は予定通りに胃袋の中だ。業者を装っていなければ、胃袋や肛門、膣の中まで魔術スキャンによって検査されるが、出入り業者にそこまでの手間はかけない。
 締里の用意した脱出計画は実に巧妙かつ優秀であった。
 自分達だけでは、ここまで見事な潜入作戦の立案と実行は無理だ。
 それにポアンとの極秘接触のアポイントメント。
 どんな手段を用いても、統護と締里のミッションに加わり、漁夫の利を浚うしか方法がなかったのである。
 そして綱渡りの末、辛うじてだが、目的のポアン奪取を果たした。
 潜入に使用した運送用トラックのステアリングを握っているのは、ラグナスである。
 ポアンは薬で昏睡させていた。本音では早く拷問して、レアメタルの秘密を聞き出したい。
 はやる気持ちの気分転換に、助手席の妹に話し掛けた。

 

「ねえ、ラグナス。顔の怪我はどう?」

 

 内出血は残っているが、腫れは引いているはずだ。擦過傷はほぼ塞がっている。
 作戦の為とはえ、仲間達にレイプさせて、さらには意図的に殴らせたのだ。必要だったとはいえ、ラグナスとしては心が痛む。
「治りかけだから疼くけれど、これはこれで楽しいじゃない? ラグナス姉さん」
「そう。ならいいわ」
「そんなに落ち込まないでよ。ラグナス姉さんの感情がダイレクトに流れ込んできて、せっかくの楽しい気分が台無しになるじゃないの。今回の作戦、何から何まで楽しいってのにさ」
「やっぱり楽しいのね」
「ええ。同じラグナスとして、私の楽しさが伝わっているでしょう?」
 ラグナス妹の台詞に、ラグナス姉は答えなかった。
 いや、言葉にして答える必要はない。

 

 二人のラグナス――この一卵性双生児は、互いの思考と感情、そして現在位置まで感覚的に共有できるのだから。
 一卵性双生児に発現する事があるシンクロ性の発展能力だ。

 

 能力レヴェルはテレパス系の超能力に近い。
 この能力があったからこそ、ラグナス妹はラグナス姉の誘導で、統護と締里の先回りができたのだ。潜入作戦において二人のオリジナル部分も、互いの状況を逐一把握し合えるこの共有能力に頼っていた。逆にいえば用意したタイムテーブルのみで完璧な作戦を実行できる締里は、二人とは違いプロフェッショナルという事だ。
 セーフハウスでの統護との魔術戦闘にしても、勝とうが負けようが、どちらでも良かった。どちらのケースになってもラグナス妹が先回りしてフォローできるのだから。
 ラグナス姉の思考を読み、ラグナス妹が笑った。
「二人で共通したラグナス・フェリエールを演じているうちに、双子なのに随分と本来の性格が離れてしまったものね、姉さん」
 違う、とラグナス姉は心中で否定する。
 双子の姉妹というカタチで存在しているが、自分と妹は本質的には同一なのだ。姉も妹もない。一人の人間が二つに別たれた自分自身。それを可能としてくれたのが……
 姉妹は思い出す。
 運命の出会い。【エルメ・サイア】首領――《ファーザー》との出会いを。

 

 

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